「二人になれば完成する」という脚本

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二人組になってください

「では、二人組になってください」

学校でこの言葉を聞くと、教室の空気が一瞬だけ変わりました。

仲のいい子とすぐ目を合わせる人。近くにいる人へ声をかける人。誰と組もうか迷っているうちに、気づけば一人になっている人。

たった二人の組を作るだけなのに、そこには小さな人生劇場がありました。

大人になってからも、二人になる場面は案外たくさんあります。

恋人。夫婦。親友。

「みんなでなら会えるけれど、二人では誘われない」

そんなことが続くと、自分は誰かにとって特別な一人にはなれないのかもしれない、と寂しくなることがあります。

誰かの「いちばん」になれない

以前、『いちばんすきな花』というドラマを見ました。

「二人組」が苦手な人たちの物語です。

二人で出かけたいのに、なぜか「みんなで行こう」と別の人も誘われる。自分は、誰かのいちばんにはなれない。

ドラマを見ながら、二人という形には、思っている以上にいろいろな意味を持たせているのだなと思いました。

恋人ができたら安心できる。

結婚したら孤独ではなくなる。

誰かに選ばれたら、自分には価値がある。

いつの間にか、人生の完成条件が「二人」になっていることがあります。

けれど、その条件は本当に自分が決めたものなのでしょうか。

二人になっても消えないもの

恋人がいないと、不完全な気持ちになる。

けれど、恋人ができても、結婚しても、寂しさや不完全感を抱えている人はいます。

二人になれば、すべての孤独が消えるわけではありません。

目の前に誰かがいても、「わかってもらえない」と感じる夜はある。愛されていても、「もっと大事にしてほしい」と思うこともある。

どうやら、二人になることと、心が完成することは別の話のようです。

「二人になれば完成する」という脚本を持ったままだと、相手は恋人というより、自分の足りないところを埋める役になってしまいます。

それでは相手も、なかなか大役です(笑)

ひとりで完成している人が、誰かに出会う

ひとりでも、自分の人生はちゃんと始まっています。

好きなものを食べて、会いたい人に会って、行きたい場所へ行く。落ち込む日も、自分で自分を連れて帰る。

そのうえで、大好きな人が近くにいたら、もっと楽しい。

誰かに完成させてもらうのではなく、それぞれの人生を生きている二人が、同じ場面に立つ。

私は、そんな関係がいいなと思っています。

もし「誰にも選ばれない私は不完全だ」と感じることがあるなら、いま見直したいのは相手探しより先に、自分が握っている配役表かもしれません。

あなたの人生劇場では、恋人にどんな役をお願いしていますか。


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