仕事がひと段落したとき、漫画のような恋愛映画を、ただぼんやり眺めることがあります。
あるとき観ていたのは『植物図鑑』という映画でした。(※ネタバレあります)
家の前に倒れていた男性を女性が拾い、半年間一緒に暮らす。料理も家事もできる、なかなかの拾いものです。
私もこんな人なら拾う、と思いながら観ていました(笑)
二人はやがて両思いになります。
ところが彼は、「ありがとう」と書いた置き手紙だけを残し、突然いなくなってしまいます。
一年後、自分の夢をかなえて戻ってきて、物語はハッピーエンドへ。
でも私は、まったく晴れやかな気持ちになれませんでした。
「彼女のために頑張るなら、そう言ってから出ていけばいいのでは?」
「置いていかれた人が、どれほど傷つくか考えなかったの?」
映画の中の男性に、かなり腹を立てていました。
腹が立つ場面には、自分のルールがある
映画の感想は、人によって違います。
夢をかなえて帰ってきた彼を素敵だと思う人もいれば、黙っていなくなったことが許せない人もいます。
同じ場面を見ているのに、心が動く場所はそれぞれ違う。
そこには、その人が大切にしてきたものや、傷つかないために作ったルールが映ります。
私の中には、
「大切な人には、きちんと説明するべき」
「相手を傷つけるような去り方をしてはいけない」
という強いルールがありました。
もちろん、相手に誠実であることは大切です。
ただ、そのルールがあまりに厳しくなると、相手の事情や、そこにあったかもしれない愛まで、全部見えなくなることがあります。
「私を傷つける人はいらない」の脚本
恋愛で傷ついたとき、心の中で裁判が始まることがあります。
そんなことをする人は信じられない。
本当に好きなら、こんなことはしないはず。
私を傷つける人なら、もういらない。
判決が出るまでが、とにかく速い。
傷ついた自分を守るためなので、悪いことではありません。
けれど、相手が何を思っていたのかを知る前に、こちらから関係を壊してしまうこともあります。
人生劇場で見るなら、「傷つけられる前に、自分から幕を下ろす」という脚本です。
映画の男性に腹を立てながら、私は自分にも同じパターンがあることに気づきました。
イライラは、脚本の見つけどころ
相手に腹が立ったとき、すぐに許す必要はありません。
嫌だったことを、なかったことにする必要もありません。
ただ、少し落ち着いたあとで、
「私は、相手にどうしてほしかったのだろう」
「それをしてもらえないと、何が起きると思ったのだろう」
と見てみる。
すると、「こうあるべき」の奥にある、本当の望みが見えてくることがあります。
置いていかないでほしかった。
大切なことは話してほしかった。
私の気持ちも考えてほしかった。
怒りの奥にいるのは、案外まっとうで、少し寂しい自分です。
恋愛映画に腹を立てる夜にも、自分の脚本はちゃんと映っています。
エンドロールが流れたあと、自分の心に残った場面を、もう一度のぞいてみてはいかがでしょう。
次は、どの人生劇場をのぞいてみますか?
人生劇場には、恋愛・仕事・家族・お金・自分との関係など、
さまざまな「いつものパターン」があります。
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