60歳で、知らなかったきょうだいに出会う人生もある

テレビで、俳優の柳葉敏郎さんの家族史を観たときのこと。

還暦を前に、自分のルーツを知りたいと思った柳葉さん。

調べていくと、母親の違う姉がいることがわかります。

60年近く、お互いの存在を知らずに生きてきたきょうだいでした。

その事実だけでも、どっひゃーです。

家族の物語には、ずいぶん遅れて登場する人もいるのです。

同じ頃、向こうも探していた

姉もまた、育ての父を亡くしたことをきっかけに、実の父の親戚を探していたそうです。

赤ちゃんの頃に一緒に暮らした、いとこのお姉さんに会いたい。

覚えている名字を頼りに電話をかけても、なかなか見つかりません。

それでも「父のお墓参りをしたい」という思いは消えなかった。

一方では弟が、姉の存在へ近づいていた。

同じ頃に、離れた場所から家族の糸をたぐっていたのです。

知らないまま、すれ違っていた

姉は以前、秋田のイベントで柳葉さんを見たことがあったそうです。

テレビで見ていた俳優が、自分の弟だった。

弟のほうも、自分に姉がいるとは聞かされていなかった。

近くを通り過ぎても、物語を知らなければ他人です。

反対に、一つの事実を知った瞬間、その人と過ごしていない60年まで家族の歴史に加わります。

家族とは、一緒にいた時間だけで決まるものではないのだと思いました。

人生後半にも、新しい家族の場面がある

60歳になる頃には、人生の大きな出来事はひととおり終わっている。

子どもは大きくなり、自分は振り返る側になる。

そんなふうに思う人もいるでしょう。

けれど、家族の話は年表どおりには進みません。

知らなかった人に会う。

聞けなかった話を聞く。

自分のルーツが、今までとは少し違う形に見えてくる。

過去は変わらなくても、過去の登場人物が増えることで、今の自分の見え方は変わります。

もう私の人生には何も起こらない、と勝手に終幕へ向かわなくていい。

家族の舞台は、ときどき驚くようなタイミングで新しい幕を開けます。


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