一つ注意されただけで、全部を投げ出したくなるとき

仕事や習い事で、一つ注意される。

ほんの一か所の話なのに、頭の中では急に話が大きくなります。

やっぱり私は向いていない。
今までやってきたことは無駄だった。
もう全部やめたい。

昨日まで少し自信があったはずなのに、指摘された瞬間、できていたことまで見えなくなる。

人の心は、ときどき一件の修正依頼を「全館閉鎖のお知らせ」に変換します。

マイナスだけ、受け取りが早い

褒められたことは、すぐ忘れる。
できたことは、「これくらい普通」と数えない。
注意されたことだけは、何度も思い出す。

私たちは、マイナスに関しては受け取り上手です。

十個できていても、一個できなければ、心の中の点数はゼロ。

けれど、指摘されたのは一部分です。

やり方の修正が必要だった。
説明が足りなかった。
練習がもう少し必要だった。

それは、「あなたには何の力もない」という判定ではありません。

「できない私ごっこ」に気づく

落ち込んでいるとき、頭の中では同じ役を繰り返し演じがちです。

どうせ私にはできない。
頑張っても無駄。
最後は失敗する。

人生劇場の照明が、一気に暗くなる場面です。

このとき、すぐ前向きになろうとしなくて大丈夫です。

「いま私は、『できない私』の場面に入っているな」

そう気づくだけで、役と自分の間に少し距離ができます。

落ち込んでいる自分を追い出すのではなく、舞台を客席から眺めるような感覚です。

直す場所だけ、直せばいい

注意されたあとは、紙に二つ書き出してみます。

一つは、直すところ。
もう一つは、すでにできているところ。

直すところが一個なら、修正するのは一個です。

これまでの努力を全部解体する必要はありません。自分の価値を審議する会議も、本日は開催しなくて結構です。

注意してくれた人は、あなたの存在ではなく、次に良くする場所を見ていたのでしょう。

もし言い方がきつくて傷ついたなら、傷ついた気持ちは別に扱っていい。そのうえで、内容の中から使える部分だけ受け取れます。

一つうまくいかなかった日にも、できていたことは残っています。

全部をゼロにしたくなったら、まず修正箇所の数を数える。

人生劇場の一場面が暗くなっても、ここまでの物語まで消えたわけではないのです。


次は、どの人生劇場をのぞいてみますか?

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