「結婚していない私」を、欠けた役にしなくていい

友人の結婚報告を聞いた帰り道。

「よかったね」と笑ったあと、一人になった途端に胸がざわつく。

私はこのままでいいのだろうか。
この先も一人だったらどうしよう。
みんなが進んでいるのに、自分だけ止まっている気がする。

結婚したい気持ちより、「結婚していない私はダメ」という気持ちのほうが大きくなることがあります。

そのとき人生劇場の舞台には、結婚した人が主役として立ち、独身の自分はまだ役をもらえていない人のように見えています。

結婚していない理由は、失敗だけではない

結婚していない人を見ると、つい「できなかった」と考えがちです。

でも実際には、仕事を大切にしてきた人もいる。
一人で過ごす時間を守ってきた人もいる。
家族の事情に向き合ってきた人もいる。
出会った相手と無理に一緒にならない選択をした人もいる。

結婚より先に、大切にしてきたものがあっただけかもしれない。

そう言い切れなくても、少なくとも「結婚していない=何も選ばなかった」ではありません。

今の暮らしも、これまで自分がしてきた選択の積み重ねです。

100%安心できる配役はない

結婚すれば、老後の不安がすべて消える。
子どもがいれば、ずっと一人にならない。

そう思いたくなりますが、どの配役にも不安はついてきます。

結婚していても関係に悩む。
子どもがいても遠くで暮らす。
家族がいても、一人で決めなければならない場面はある。

人生には、100%安心できる席が最初から用意されているわけではないのでしょう。

だから目指すのは、完璧な納得ではなくていい。

「不安は残るけど、今の私もおおむね悪くない」

70%くらいそう思えたら、今日の暮らしはずいぶん変わります。

欠けているものより、今いる舞台を見る

結婚したいなら、その気持ちは大切にしていい。
それほど望んでいないなら、周りの進行表に合わせて焦らなくてもいい。

大事なのは、「普通ならこうする」ではなく、自分がどんな毎日を送りたいのかです。

一人で食べる夕飯。
気楽に眠れる部屋。
好きなときに出かけられる休日。
誰かを好きになる可能性。

どれも、結婚までの待合室ではありません。

今の人生劇場ですでに上演されている、大事な場面です。

未来の配役が変わっても、変わらなくてもいい。

まずは今日の自分を、「まだ完成していない人」から降ろしてあげる。

結婚していない私も、おおむねこれでいい。
そのくらいのゆるさが、次の場面へ進む余白を作ります。


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