自分がいなくても会社は回る。それでも、いる意味はある

自分が休んだら、職場が困る。

私が辞めたら、仕事は回らなくなる。

そんなふうに思っていたのに、いなくなったあとも会社は普通に動いている。

それを知ると、少し寂しくなることがあります。

私でなくてもよかったのか。

あれだけ頑張ったのに、別の人で間に合うのか。

役割を交代できることと、自分に価値がないことが、頭の中でくっついてしまいます。

三か月で仕事をクビになった

二十代の頃、派遣で事務の仕事をしていたとき、三か月で契約が終わったことがあります。

当時の私は、わりと仕事ができるつもりでいました。

タイピングは速いし、一度聞いたことは二度と聞かないぞ、という執念もある。

「私がいなくなったら困るでしょうね」と、なかなかの勢いで職場を去りました。

怖いですね(笑)

その後、派遣仲間から新しく入った人の話を聞きました。

最初は仕事ができず、現場も困っていたそうです。

ところが数か月たつと、その人がいる状態で普通に仕事が回っていました。

あれ。私がいなくても大丈夫なのか。

そこで初めて、会社は一人の能力だけで動いているわけではないと知りました。

交換できる役割は、不要な役割ではない

組織では、誰かが辞めれば別の人が入ります。

一時的に混乱しても、やがて新しい流れができます。

これは冷たい話ではありません。

誰か一人が抜けたら全部止まる会社では、安心して休むことも辞めることもできません。

交換できるから、組織は続きます。

そして交換できる役割でも、その場所にいる間は必要です。

一つのコマとして全体を動かす。

目立たなくても、自分の担当を終わらせる。

それは「誰でもいい仕事」ではなく、誰かが担っているから成り立つ仕事です。

仕事の席と、自分の価値を分ける

仕事を失うと、自分まで否定された気持ちになります。

けれど、変わったのは職場の一つの席です。

人としての価値まで、会社が判定したわけではありません。

私自身、クビになった経験のあとにも仕事をして、最後に勤めた場所は一番いい職場でした。

あの会社に残れなかったことと、その後の私の働き方は別の話です。

「私がいなくても回る」と知ったとき、寂しさが出てもいい。

そのうえで、私がいた時間まで無意味にしない。

舞台は配役が変わっても続きます。

役を降りた人の価値まで、そこで消えるわけではありません。


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